tribal rug exhibition 開催に関して

いよいよ今週の金曜日から始まる「tribal rug exhibition~西アジアの染織物と遊牧民」。DMをお渡しすると、多くの方に「ギャベとは違うモノなの?」という質問を受けますので、トライバルラグとギャベの関係、そしてそラグとキリムの違いなど、基本的なことについて説明したいと思います。

ギャベはもともとはトライバルラグの一種です。ザクロス山脈周辺の遊牧民は夏になると羊を連れて高地にキャンプに行くそうですが、そのあたりでは夏に雨が降ることがない為、テントを持たずに寝具としての敷物のみ持って行きます。そのために織られたものがギャベだった、、、ということのようです。詳しくはトライブさんのサイトに記事がありますので、ご興味のある方はどうぞ。
コチラ→

80年代にギャベに注目したトライバルラグ研究家がおり、そのコレクションを参考にしながら現代的に作られているのが、現在流通しているギャベと言えます。本来、遊牧生活の中で織られていたラグ(ギャベ)は、現在のギャベに比べると薄手で、折りたためるものなのです。遊牧民は移動するので、重く厚手のラグを何枚も運ぶことはできません。ただ現代人の嗜好に合わせて作り変えるというのは決して悪いことではないですし、むしろ当たり前のことだと思います。つまり現代のギャベにも良さがあり、そしてトライバルラグにはトライバルラグの良さがある、ということなのです。

さて、ラグとは絨毯のことですが、部屋全体に敷き詰めるようなものをカーペット、比較的小ぶりなものをラグ、と呼ぶことが多いようです。たて糸とよこ糸の間にひとつひとつ糸を結んでいくことによって柄を表現しています。ペルシャ絨毯では結び目の細かさ(ノット数)で価値を決めるようなこともされているようですが、トライバルラグはノット数=絨毯の価値ではありません。織り、ウールの質、染色、などいろいろな要素があり、人それぞれの嗜好が選ぶ基準になります。そこがトライバルラグの面白さであると思います。

写真はイラン北東部ホラサーン地方のバルーチ族によるラグ。天然染料による深い赤や藍色が美しく、たて糸のウールにも光沢があります。バルーチ族のものは比較的数が多く手に入れやすいですし、落ちついた色目が日本家屋にもよく合うので、おススメです。

そしてたて糸とよこ糸のみで構成された平織のものがキリムです。平織と言ってもスマック織などの技法があるので、一筋縄ではいかないです。シャーセバン族のようにほとんどキリムしか織っていない部族もいるようですね。

コチラはアナトリア地方のコンヤキリム。幅は80㎝ほどしかありませんが、長さは4mあります。本来は対になっていて、真ん中で縫い合わせているものの片方です。テントの中でほこり除けなどに使うモノのようです。遊牧生活の中で使われていた古いキリムは、専門サイト等で見ることができますが、高額なのでなかなか買えません。これはキリムコレクターからすればイマイチなようで、結構安かったです(笑)。年代は19世紀終わりから20世紀初頭くらいだそうです。ラグよりは状態の判断がしやすいので、知識があればネットで買うことも可能だと思います。

今回の展示会はトライバルラグを30年にわたり輸入しているトライブさんのご協力で実現しました。オールドものが多いですが、コンデションは本当に素晴らしく、畳の上でも使っていただけるようなものばかりです。ペルシャ絨毯やギャベなどに親しんでいる方からすると、比較的安いと思われるかもしれません。是非この機会にトライバルラグの世界に触れてみて下さい。会場はスケッチイン・ハイクの2Fです。よろしくお願い致します。