工業製品的美しさについて

昔読んだ「フラニーとゾーイー」。内容はまったく憶えていないんだけど、一箇所だけは記憶に残っている。それはゾーイー(だったか)が子供の頃、学校の授業で「同じカタチをした建売住宅が増えること」に対する意見を言うところ。みんなは個性がなくてつまらない、、、って言うんだけれど、ゾーイーだけが「それは素敵なことだと思う。みんなが同じ家に住んで、どこか別の家に帰ってもそのまま生活できたりすればいいのに」って夢みがちに話すのです。

同じ商品が大量に並んでいる、、、みたいな光景がわりと好きです。イメージ的には、カッコいいホームセンター、、、かな。現実にはなかなかありませんが。でもいつかはエイトデイズでそういう見せ方が出来ればいいな~、なんてよく思います。手作り感のある作家ものよりも、むしろ工業製品的な美しさに惹かれる、という感じでしょうか。もちろんお店で扱っている商品には手仕事によるモノも多いですし、大量に作られたいわゆる工業製品はまったくありません。ただ「作家さんの想いがこもった」みたいな手作り品よりは、個体差をなくそうとする職人的なものが好きなんだと思います。

コレは春先に行なわれたゴーシュの展示会の案内。このはがき見たときに、先述の「フラニーとゾーイー」思い出しました。こういうテイストがとても好きです。

ユミコ・イイホシ・ポーセリンの器。「手作りとプロダクトの境界にあるもの」と云うコンセプトで、有田焼の小さな工房で生産されるunjourシリーズは、どこか工業製品的美しさを併せ持った、僕にとっての理想のプロダクトです。

TUKIのパンツも職人気質でありながら、どことなく工業製品のよう。これも大量に並んでいたら美しいだろうな、と思わせます。

同じことはエフスタイルにも当てはまると思います。そしてどれもが職人と呼ぶに相応しい人たちの手によって生み出されています。そうそう、エフスタイルとTUKIなんて作ってるものの方向性は180度違うのに、本人達はなんだかとっても似てるんです。へそ曲がりの横綱!?がいるとしたら、東の横綱がエフスタイルで西の横綱がTUKIみたいな。おかしいですよね。