あけましておめでとうございます。エイトデイズの新年の営業は3日(金)11時からです。今年は特に福袋もセールもありませんが、エフスタイルなどの定番品は充実しています。TUKIからもこっそりtype-1のエクリュなども入荷していますので、よかったら遊びにいらしてください。お待ちしております。
さて、お正月といえどすることは普段と変わらず、コタツに入ってyoutubeとか音楽サイト三昧な寝正月を送っているわけでありますが、去年からあまり新しい音楽を聴いていないということもあり、結局聴くのはディラン関係ばかり。進歩ないですね。こんなこと書くとなんだか年季の入ったディランファンのように思われがちだけど、実は僕が本格的に初期のディランを聴き始めたのは2007年頃からで、以来60年代のディランばかり聴いていると言っても過言ではありません。ホントよくここまで飽きずに聴き続けてこられたとも思うけれど、そういう「色褪せない」ところも魅力のひとつなんですね。
もちろん僕にとってのディラン初体験はそんな最近のことではなく、はるか昔の中学生の頃。確か「欲望」だったかな。最初に聴くアルバムとしては申し分ないし、それなりに良いと思ったけれど、まあそこまでで。例えばツェッペリンとかフーとか、そういう音楽から受けたような感激はなかったんです。その後大学卒業した頃に必死に聴いた思い出が、、、。どうしてそんなに必死になったかって言うと、要するに「自称音楽好き」としてはディランわからないって言えないわけで。だから片桐ユズルの全訳詞集片手に聴きまくった。でも結局よくわからなかったんですね。そんな僕がある日突然、ふとしたことがキッカケで彼の歌がストンと心の奥に収まったんです。わかってしまえば、な~んだって感じなんですが。どう言ったらいいのかな。ほら、はさみ探していてどこ探しても見つからなくて、あきらめそうになってふと見たら目の前にあった、みたいな。まあ見つけるのに30年近くかかってしまったわけですが。
だからお店でたまに「ディランよくわからないんですよ~」みたいなこと言うお客さんがいると、妙に嬉しかったりする。共感と同情とちょっぴりの優越感がないまぜになって、「そうかそうか君もハサミが見つけられないんだね~、うひひ」って、肩でも叩いてあげたい衝動に駆られるんです。でもこればっかりは自分で見つけるしかないわけで。ただひとつ言える事は、やっぱりジョン・ウェズリー・ハーディング以降から入るのはわかりづらい気がするんです。できたら初期のアルバムから聴くのが望ましいと思うんだけど、そうなると大抵の場合「フリー・ウィーリン」から、という事になる。ところがそこにはひとつ大きな落とし穴があるんです。そう、「風に吹かれて」ですね。この曲のわかりやすさ、そして英語が母国語ではない自分達にとっては、そのわかりやすさが却って障害になってしまうように思えます。少なくとも僕はそうだった。風に吹かれて的なものに捉われてしまうと、ディランの音楽の持つ本質的な美しさを見失ってしまう。目の前にあるのにね。英語がすんなり入ってくればまた違うと思うし、もちろん最初からそんなものに捉われない人もいるんだろうけれど、僕みたいに「イマイチ良さがわからないんだよな~」って人は意外と多いと思う。例えばみうらじゅんなんかが、とにかく意地になって、必死でファーストアルバムから聴き続けて、ようやく到達する、、、みたいなね。なんかこう、「苦行を強いる」ようなところが、ディランの音楽にはあるのかもしれません。
そんなことをボンヤリ考えながらyoutubeなどでイロイロ聴き漁っていると、最近の若い女の子、例えばサラ・ジャローズとかファースト・エイド・キットなんかが、あっさりとマイフェイバリットとか言いながらディランの曲をカバーしていたりするのに出くわすのです。で、それがまたとっても素敵なのであります。彼女達の音楽を聴いていると、自分のあの30年間は一体なんだったんだろうか?なんて思わずにはいられません。こだわりのない素直な耳で音楽を聴くことは実は意外とむずかしいことなんだと感じる、今日この頃です。
そして、「こだわりのない素直な目でモノを見る」ということも、同じように案外むずかしいことなのかもしれません。2014年はその辺りもテーマのひとつにして仕事を頑張ろう!と思っている次第であります。ちょっとこじつけっぽい気もしますが(笑)、まあいいか。
ということで、今年もよろしくお願い致します。